仙台コラム

仙台地下鉄は静かに教える

仙台地下鉄




 仙台の街を縦断するそれは、僕らを輸送する。
 

その輸送時間たるや、端から端までわずか30分足らず。
 駅数は、17駅もあるにもかかわらずこの早さ。
 仙台人の通勤、通学には欠かせない。
 まさにライフライン。




 そしてこの仙台地下鉄には、根っからの仙台人には気付かない、
 または気にされないことがある。



 それは、




 読めない駅名。




 例えば、




 富沢




 とみざわ。
 これは序の口。



 次に、




 愛宕橋




 あたごばし。
 これは、本当に読めない。



 そして、



 五橋




 ×ごばし。
 ○いつつばし。




 他にも



 勾当台公園(こうとうだいこうえん)



 八乙女(やおとめ)




 難儀。



 漢字テストでもここまで難しい読みは出さない。
 だが、駅内の看板にはふりがな表示はない。
 初めて仙台に訪れた人の家探しの最初の難問である。
 まさに地元を愛するがゆえのスパルタ教育。
 「それくらい読め」「身体で覚えろ」の精神を教え込む。




 そんなスパルタ教育の仙台地下鉄には、
 もうひとつ大事な役目がある。



 改札から一度外へ出てみると、
 厳粛な面持ちのそれで地下道が迎えてくれるのだ。




 朝の通勤時、
 そして通学時。



 職場や学校へと向かう人々。



 その人々の心は、



 あの厳粛な地下道で、



 「今日も一日頑張ろう。」



 と、気持ちを新たにする。



 背筋は伸び、踏み出す足に力が入る。




 そして地下から地上へと続く長い階段に至る。
 鋭い眼差しを地上へ向け、



 一歩また一歩とその段差を踏みしめる。



 文字通り、



 上を見上げて。




 やがて日の光が注ぎ込む地上の出口へと降り立つ。




 自然と「よし、今日も一日頑張ろう」と自らに言い聞かす。




 そこから目指す目的地。
 いうまでもなく、足取りは軽い。




 仙台地下鉄、一日の始まり。


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わさび

わさび

仕事の都合で仙台を離れること6年、今はメンバーの中でひとり関東に在住しています。いつかまた仙台で家族で暮らせることを夢見るアラフォーです。東京から仙台情報を発信していきます
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